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殺菌ガス(医療機関向)

はじめに

医療用カポックス

 酸化エチレンガス(EOG)は比較的低温で強い殺菌力を発揮し、被滅菌物への浸透性に優れ、金属腐食やプラスチック類に変形、変質等の悪影響を与えない殺菌・消毒剤として長年医療分野等の滅菌に幅広く使用されています。
 特に医療用カポックスは病院等で取り扱いやすいように容器を小型化し、かつ薬剤の残量が確認できるアイバルブと常に安定した組成のガスを取り出せる特殊サイホンを装着しておりますので安心してお使い頂けます。

※本剤はオゾン層を破壊するフロン等の希釈剤は使用していません。

種類と性質

品  名
カポックス-10
カポックス-20
承認番号
14100AZZ06526000
14100AZZ006527000
日本薬局方外医薬品
日本標準商品分類番号
薬剤分類名(防疫用殺菌消毒剤)
877329
成  分
酸化エチレン10%
二酸化炭素90%
酸化エチレン20%
二酸化炭素80%
臭  気
無色・特徴のあるエーテル臭
比重(空気=1)
1.52
1.52
燃焼範囲(Vol%)
不燃性
20~40
容器表示
-
容  器
5kg入り、10kg入り

バルブ
W20.山14.右ネジ
W20.山14.左ネジ

<EOGの燃焼性>
EOGは空気中で3〜100%の広い燃焼範囲を有するため、炭酸ガスを希釈安定剤として燃焼範囲を抑えています。医療用「カポックス−10」は不燃性、医療用「カポックス−20」は20〜40%の狭い燃焼範囲のガスとして使用できます。

<EOGの毒性>
医療用カポックスの有効成分である酸化エチレンは滅菌ガスとして優れた性質を有する反面、人体に対しても毒性を有します。酸化エチレンを吸入するとその量により頭痛、めまい、全身倦怠感、嘔気等の症状が起こります。我が国では酸化エチレンを取り扱う作業環境濃度は8時間労働における時間荷重平均濃度が1ppm(日本産業衛生学会1998年勧告値)となっています。

効 能

医療用カポックスによる滅菌効力はEOGの濃度、温度、時間及び湿度などの要因で決まります。被滅菌物の材質や汚染度によって適切な滅菌条件を選ぶ必要があります。

濃 度 EOGの濃度(mg/L)が高いほど滅菌効果が高まります。
濃度は滅菌器に入れるガス圧や減圧度の大きいほど高まります。

温 度 減菌温度は高い方が効果が高く、40℃まではその作用は顕著に発揮されます。
一般的に40~60℃の範囲で使用されますが、被滅菌物に対する変形変質も考慮する必要があります。

時 間 滅菌時間が長いほど効果が高まります。
しかし、むやみに長くすることは作業面からも好ましくありません。
被滅菌物が確実に滅菌できる最適な時間で行うことが必要です。

湿 度 EOG滅菌は化学反応で菌を死滅させます。
その反応には適度な湿度があるほうが滅菌効力を発揮することが知られています。
優れた滅菌効力を発揮するには滅菌中の相対湿度が30~50%が良いといわれています。
しかし過飽和の水分がある場合は滅菌効力が低下します。

使用上の注意

●取扱上の注意

  • 医療用カポックスは高圧タイプの薬剤ですので、滅菌器へ接続する際は、必ず炭酸ガスタイプの滅菌器であることを確認して下さい。
  • 医療用カポックスを使用する場所は直射日光や暖房、オートクレーブなどの熱源で容器温度が上昇するような場所を避け、常に40℃以下に保てる場所に設置して使用して下さい。
  • 医療用カポックスを使用するときは、必ず容器を直立させて使用して下さい。容器を横にしたりすると安定した組成のガスが得られません。
  • 医療用カポックスを使用する際は、容器を固定する等の転倒防止対策を行ない、接続配管や容器弁等に衝撃を与えないで下さい。
  • 医療用カポックスを使用しないときは容器弁を閉じて下さい。

●滅菌作業場の注意

  • 医療用カポックスを使用する際は、接続配管や容器弁等からガス漏洩がないように注意して下さい。
  • 医療用カポックス-20は可燃性ガスです。使用する滅菌器は防爆構造のものにするか、ガスが漏れても滅菌器内にガスが滞留しない構造の滅菌器を使用して下さい。
  • 医療用カポックスは希釈剤の性質上、使用限度は充塡量の80%程度までとして下さい。それ以上の使用は滅菌不良を起こす原因になります。
  • 医療用カポックスを使用す滅菌器のエアレーションを十分行なった後、被滅菌物を取り出して下さい。残留EOGは被滅菌物の材質等によって消失期間が異なりますので被滅菌物の保管環境にも注意して下さい。
  • 漏洩ガスや被滅菌物から蒸散EOGを感知できるように、ガス漏れ警報器を滅菌器付近や被滅菌物の保管場所等に取り付けて下さい。

●緊急時の措置

  • 医療用カポックスの容器弁等からガスが漏洩した場合は容器を通風の良い場所に移して、直に販売店にご連絡して下さい。
  • ガス漏れ警報器等が作動した場合は部屋の換気を行って下さい。警報器は医療用カポックス以外の薬剤(アルコール類や有機溶剤)でも作動するものもあるので注意して下さい。
  • ガスを吸入してめまいや、悪寒、嘔気などの中毒症状を呈した場合は清浄な空気の場所に移して、医師の手当を受けて下さい。

参考資料

■医療機器原材料の残留EOGの消失

残留EOGの消失期間が
比較的速いグループ

  ラテックスゴム、シリコンゴム、軟質塩化ビニール
  ポリエチレン、ガーゼ、綿 等

残留EOGの消失期間が
比較的遅いグループ 

  ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、圧縮綿
  不織布、縫合糸、*ナイロン、*ABS  等

*特にEOGの消失が遅い

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